ペットショップに行くと「一緒に暮らしたらどんなに楽しいだろう」「先住犬(猫)と仲良くできるかな?」など夢が膨らみますよね。
良いご縁に恵まれてお迎えが決まったペットは幸せな毎日が訪れるでしょう。しかし、誰の目にもとまらないペットはどうなるのでしょうか。
「売れ残ったペットは殺処分される」という噂もあり、その後の行方が気になります。
この記事ではペットショップの売れ残りのその後について解説します。
殺処分や売れ残ったペットの引き取り方法なども紹介していますので、最後までご覧ください。
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ペットショップで売れ残るとどうなる?
ペットショップで売れ残ったペットの行方はこのようになります。
- 安値で売られる
- ブリーダーに返却
- 譲渡会や里親の募集
- ショップの看板犬
ペットショップによって対応が変わってきますが、多くは最後まで面倒が見られます。
安値で売られる
売れ残ったら最初に取られる対応は「値下げ」でしょう。
本来ショップ側としては売れ残る期間が長ければ長いほどお世話の費用がかかるため、値上げをしたいのが本音です。
生後4ヶ月~半年ほどで仕入れ値と売値が逆転するといわれています。
下がる金額に限度がありますが、月齢が過ぎれば過ぎるほど値が下がっていくでしょう。
ブリーダーに返却
半年過ぎて売れないと、ブリーダーに返却される場合があります。
お金の返却があったり、繁殖犬になった後その子供をショップに戻す「産み戻し」など、取引方法はショップとブリーダーによって様々です。
譲渡会や里親の募集
売れ残った犬や猫を譲渡会や里親で募集するケースがあります。
保護団体の譲渡会で募集が行われたり、譲渡会を行うショップもあります。
ここに注意
ペットショップによっては友人や身内に声をかけるなど内々で里親を探す場合もあり、いろいろな方法で譲渡先を見つけます。
ショップの看板犬
売れ残った犬が、そのまま看板犬になることがあります。
ただし看板犬になるには性格が重要です。
看板犬にふさわしいのは
- 人が好き
- 怒ったり噛んだりしない
性格です。怖がりで臆病な子だと難しいでしょう。
売れ残りは殺処分されてしまう?
2012年の愛護法改正により、ショップでの売れ残りが保健所に持ち込まれても受け入れられなくなっています。
改正後には
自治体は業者からの犬猫の持ち込みを拒否できる
ようになりました。
そのため、ショップでの売れ残りが殺処分されることは不可能だと考えられます。
ここに注意
ペットショップの売れ残りが殺処分されるという噂があるのは、一部の悪質なショップの行為によるものです。
愛護法改正前には一部のショップにより、売れ残りの動物たちが保健所に持ち込まれていたといわれています。
しかしあくまで一部であり、多くは売れ残っても責任をもって面倒を見ます。
売れ残ったペットが「保健所で殺処分される」という噂が後を絶たないのは、一部の悪質なショップの行為が尾びれを付けて広まったせいだと考えられます。
悪徳な引き取り業者のうわさは?
「引き取り業者」とは
ペットショップで売れ残ったり、繁殖能力が衰えた犬や猫を有料で引き取る業者
のことです。
犬や猫を引き取る行為自体違法ではありません。引き取られたペットは
- 転売
- 自家繁殖
などに利用されます。中には里親探しなどを代行してくれる引き取り業者もあり、多くは善良な業者です。
しかし中には悪質な業者がいます。健康的に問題があるなどで利用できないペットは、劣悪な衛生環境のまま放置し続けるといった心無い行為を行うのです。
また引き取り屋の中には極秘裏に殺して処分を行うといった、非道な業者も存在します。
実際に2014年には、栃木県で犬を大量に殺して埋めた罪で2人の引き取り屋が逮捕されました。
保健所での殺処分が減っている一方、表沙汰にされていないペットの殺戮が行われていることが分かります。
ここに注意
一部のショップではこれらの悪質な引き取り業者に売れ残りを横流ししている可能性があり、その存在は社会的にもっと知られるべきでしょう。
ペットショップで売れ残った子を引き取りたい場合
ペットショップで売れ残ったからといって、無料での引き取りは行われません。
ショップにとって生体は「商品」であり、仕入れ費やそれらを管理するための人件費、フード代、場合によっては治療費がかかっているからです。
そのため「無料で引き取りたい」と詰め寄るのはやめましょう。
一方で、ショップ側が「早めに売っておきたい」と思っているのも事実です。そのため価格交渉をしてみてもいいかもしれません。
ポイントとして
- 無料にならないのを理解していること
- 必ず購入すること
を前提に交渉してみてください。
必ず購入してもらえるのであれば、値下げをしてでもお迎えしてもらいたいはず。
ただしそれ以上値下げできない可能性もあるので、断られたら無理強いしないでくださいね。
ペットショップで売れ残りが出るのはなぜ?
ペットショップで売れ残りが発生するのはなぜでしょうか?
その理由として3つあげられます。
- 仕入れ数と購入者のバランスが釣り合わない
- 体のサイズや性格、動きなどで敬遠される
- 売れどきが短い
ひとつずつ解説していきます。
仕入れ数と購入者のバランスが釣り合わない
ペットには人気犬種や猫種があります。
例えば、プードルやチワワは長年人気が高い犬種です。また、あまり耳にしないラガマフィンやミヌエットは優しく飼いやすい猫種として人気急上昇中です。
そんな人気犬種や猫種は、売り切れないよう多めに仕入れるケースが多くあります。
しかし仕入れ数と購入者のバランスが釣り合わないと、売れ残りが出てしまうのです。
体のサイズや性格、動きなどで敬遠される
ペットの体のサイズや性格、動きなどで売れ残る場合があります。
売れ残り始める生後6ヶ月あたりだとおおよそのサイズや性格が見えてきます。
それが災いして
- ミニチュアダックスフンドならもっと小さい方がいいな
- もう少し落ち着いた性格の子がいい
などで敬遠されるケースです。
またゴールデンレトリバーやバーニーズなどの大型犬や超大型犬に関しては、飼える家庭が限られます。
そのため地域によっては売れ残りやすい犬種だといえます。
売れどきが短い
子犬や子猫は売れどきが短く、あっという間に成長して売れ残りとなってしまいます。
子犬や子猫の売れどきは3カ月未満です。小さくてコロコロしていてかわいい時期で、この月齢までは高額で販売されます。
一方動物愛護法では、犬や猫の展示について「生後56日を過ぎないと行ってはならない」といった決まりがあります。
第二十二条の五 犬猫等販売業者(販売の用に供する犬又は猫の繁殖を行う者に限る。)は、その繁殖を行つた犬又は猫であつて出生後五十六日を経過しないものについて、販売のため又は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならない。
参考:環境省ホームページ「動物の愛護及び管理に関する法律」
生後56日とは、だいたい生後2カ月になるかならないかくらいです。売れどきの生後3カ月までは1カ月もありません。
そのため、タイミングを逃すと売れ残りになりやすいといえます。
ここに注意
動物愛護法の展示に関する期日は、早期に親兄弟と離されるためにおこる社会化不足を防ぐためのものです。
犬や猫同士で学ぶ必要があり、社会化がきちんとできていないと将来問題行動が起こりやすくなるといわれています。
子犬や子猫には必要な法律です。
ペット先進国で売れ残りがない理由とは?
ペット先進国では売れ残りがありません。
なぜなら、
ペットショップでの生体販売がないから
です。
ペット先進国と呼ばれるのは
- オーストラリア
- ニュージーランド
- スウェーデン
- スイス
- ドイツ
などです。国自体で動物愛護の精神が高く、動物に関する法律が整備されています。
群を抜いたペット先進国であるスイスでは、ペットは保護施設での引き取りやブリーダーでの購入が一般的です。
ブリーダーで予約をし、生まれたら購入します。ブリーダー側も予約の数だけ繁殖させればいいので、売れ残りになることがありません。
日本でもペットショップの生体販売を中止する動きがみられ始めています。
いつの日かペットショップの売れ残りがなくなる日が来るといいですね。
まとめ
ペットショップの売れ残りは…
- 安値で売られる
- ブリーダーに返却
- 譲渡会や里親の募集
- ショップの看板犬
ペットショップで売れ残りが出る理由は…
- 仕入れ数と購入者のバランスが釣り合わない
- 体のサイズや性格、動きなどで敬遠される
- 売れどきが短い
ペットショップで売れ残っても、殺処分はされません。
ペット先進国ではペットショップでの生体販売は禁止されており、売れ残りが出ないシステムになっています。
我が国日本もペット先進国といわれるよう、ペットに関する法律や福祉の見直しが必要だといえるでしょう。