「猫ってひとりぼっちは寂しくないの?」と考えたことはありませんか?
一匹だけで飼育していると、「猫仲間が欲しくないかな?」「ひとりで退屈かもしれない」と思いますよね。
さみしがり屋の猫だとかかりやすい病気があり、問題行動の原因になるため注意が必要です。
この記事では
- 一匹で飼育するメリットとデメリット
- 甘えん坊猫の特徴とかかりやすい病気
- 多頭飼育のメリットとデメリット
について解説します。
あなたの愛猫にさみしがり屋さんの傾向はありませんか?
気になる人は最後までご覧ください。
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猫はひとりでも平気?
猫はひとりでも平気だと考えられます。
その理由は、
猫が単独行動で生きる動物
だからです。
ひとり立ちしたオス猫は自分が生まれた場所を離れ、新しい縄張りをつくって生活します。
メス猫の場合、親や姉妹など血縁関係のグループで生活するケースがありますが基本的には単独行動です。犬のように協力して狩りを行うことはありません。
ただし、猫の性格によっては寂しいと感じるケースがあります。中には寂しさのストレスで問題行動が起こる場合があるため注意が必要です。
おひとり猫のメリットとデメリット
一匹で飼っている猫をちまたでは「おひとり猫」と呼びます。人間の「おひとり様」をもじったものの猫バージョンです。
そんな「おひとり猫」のメリットとデメリットを確認してみましょう。
おひとり猫のメリット
おひとり猫のメリットとして次のようなものがあげられます。
おひとり猫のメリット
- 健康管理のしやすさ
- 経済面での負担が少ない
猫がひとりだけだと、ちょっとした変化に気づきやすいでしょう。特に多頭飼いで分かりにくいとされる食事量の変化に、すぐ気付いてあげられます。
食欲は健康状態の目安になる重要ポイントなため、もしもの時の早期発見に繋がります。
また、経済面での負担が少ないことも大きなメリットでしょう。猫の飼育には、トイレ砂などの日用品からキャットフード、治療費など費用がかかります。
中でも治療費は高額になることがあり、おひとり猫だと多頭飼育と比べても満足に治療を受けさせやすいでしょう。
おひとり猫のデメリット
一方、おひとり猫にはデメリットも存在します。
おひとり猫のデメリット
- 運動不足になりやすい
- 飼い主さんに依存しやすい
多頭飼育だとほかの猫と遊べますが、おひとり猫はどうしても運動不足になりがちです。そのため飼い主さんが時間を作って遊んであげましょう。
また、おひとり猫は飼い主さんと一対一のため甘えん坊になりやすいのが特徴です。依存してしまうと「分離不安症」という病気になってしまうため注意しましょう。
甘えん坊が見せる3つの行動
猫はひとりで行動する生き物ですが、性格によっては寂しいと感じることがあります。甘えん坊な猫は、留守番などで飼い主さんと離れてひとりになることを寂しがります。
甘えん坊な猫が主に見せる3つの行動は下記のとおりです。
甘えん坊が見せる3つの行動
- 鳴いて知らせる
- 飼い主さんと一緒に布団で寝る
- 前足をふみふみする
猫は寂しい時や構ってほしい時などでも鳴きます。鳴き声は高い声です。
留守番中ずっと鳴き続けることもあります。
また甘えん坊だったり寂しがり屋の子だと、飼い主さんと一緒に布団で寝ます。飼い主さんを信頼している証で、猫は「寂しいから一緒に寝たい」という気持ちです。
さらに、毛布など柔らかい場所で前足をふみふみするのは甘えん坊な証拠。
この行動は子猫が母猫に対して行うもので
- 甘えたい
- 安心する
- 眠たい
を意味します。
ひとり立ちを経験しておらず、いつまでも子猫の気持ちのままだとふみふみが発動するといわれています。
離れるとストレスになる「分離不安症」の症状は?
飼い主さんと離れることが強いストレスとなり、問題行動や症状が現れる状態を「分離不安症」といいます。
猫の精神疾患の一つで、行動や身体の変化として次のようなものがあげられます。
分離不安症の症状
【行動の変化】
- トイレの失敗
- 過剰に鳴く
- 攻撃的、破壊行動
【身体の変化】
- 脱毛や皮膚の炎症
- 過食気味や食欲不振
- 留守番中の嘔吐
分離不安症の猫がひとりで留守番をすると、落ち着かない様子でずっと鳴き続けるでしょう。普段は上手にできるトイレも失敗するようになります。
粗相する場所は
- 飼い主さんのベッドの上
- 扉の前
などが主です。
さらにわざとものを落としたり壊したりして、飼い主さんの気をひこうとするようになります。
また、気を紛らわそうと過度なグルーミングを行い、脱毛したり皮膚が炎症を起こしたりする場合があります。ほかにも過食や拒食症状、嘔吐など、飼い主さんと離れたストレスによって引き起こされます。
分離不安症に多頭飼育は有効?
猫の分離不安症に多頭飼育は有効だといわれています。
分離不安症は、飼い主さんと一対一の密接な関係で構ってあげられる時間が多いため引き起こされます。猫と飼い主さんの距離が近すぎて、執着が強くなるのです。
多頭飼育の場合、他に猫がいることで人間の生活に寄りすぎるのを防いでくれます。猫同士で社会性ができあがり、飼い主さんに執着しすぎずに生活できるでしょう。
そのため、多頭飼育では分離不安症になりにくいと考えられます。
注意
多頭飼育に頼りすぎず、分離不安症を予防することは重要です。
「猫がひとりで安心できる時間や環境づくり」「日ごろの接し方」などに注意して、関係性のバランスを取るようにしましょう。
多頭飼育のメリットとデメリット
分離不安症に多頭飼育が有効だといわれていますが、安易に猫を増やすのも問題です。
最近では多頭飼育の飼育崩壊が問題となっており、環境省でも適切な飼育頭数を守るよう注意喚起しています。
さらに多頭飼育にはおひとり猫にはないメリットとデメリットがあります。しっかりと理解して飼育することが重要です。
飼育頭数の目安
飼育頭数の目安は
「飼育数の上限=猫が自由に出入りできる部屋数-1」
とされています。部屋の広さも猫のパーソナルスペースが守れて、トイレと給水ボウルが置ける広さです。
多頭飼育のメリット
多頭飼育には
- ストレス発散ができる
- 猫同士の交流で学ぶことがある
といったメリットがあります。
飼い主さんが仕事などで忙しいと、構ってあげられる時間があまり作れません。多頭飼育だと同居猫と遊べて、ストレスも発散できます。
また、猫同士で学ぶことがあります。例えば、愛猫は甘噛みが強くないですか?
手加減ができないのはおひとり猫に多く、猫同士でのじゃれ合いがないため加減が分からないのです。
多頭飼育だと、甘噛み以外でも遊びの中で学ぶことが多いと考えられます。
多頭飼いのデメリット
一方、多頭飼いのデメリットは下記のようなものがあげられます。
- 猫同士の相性がある
- 災害時の避難が大変
猫に限らず、ペットを複数飼う場合には相性が重要です。
安易に多頭飼育を始めてしまうと、相性が悪いため「生涯別々の部屋で過ごさせなければならなくなった」などのケースがあります。
さらに、もしもの時のことを考えておかなければいけません。
災害時などで非難する際、猫は逃げ出さないようにキャリーに入れる必要があります。家族全員で持てるキャリーの数を検討して多頭飼育を行いましょう。
ギリギリの数ではなく余裕を持って、自分とペットの命を守ってくださいね。
まとめ
猫は基本的にひとりでも快適に暮らしていける動物です。
ただし性格によっては甘えん坊な子がおり、分離不安症に注意しましょう。
分離不安症の対策として「多頭飼育」は効果的ですが、終生飼育ができるか考えて検討することが重要です。
安易に多頭飼育に手を出さず甘えん坊な子でもひとりで安心できるよう、接し方などに配慮してください。
愛猫の心の健康を守るのも、飼い主さんの責務だといえますね。