遊んでいたり甘えていたりなど、愛犬が噛もうと思わなくても事故で噛み傷が出来ることはあります。
そんな時によく口コミで見かけるのがキズパワーパットです。
犬の噛み傷にキズパワーパッドを使って効果があったとコメントで読んだことがあるのですが、果たしてキズパワーパッドで噛み傷を覆って大丈夫なのでしょうか?
そこで今回は「犬に噛まれた傷をキズパワーパッドで覆って大丈夫なのか」についてご紹介します。
この記事を読めば
・犬に噛まれてすぐにキズパワーパッドで覆うのは危険
・犬に噛まれたらすぐしなければいけないこと
・犬に噛まれたときの病院での処置方法
が分かります。
「なぜキズパワーパッドが犬の噛み傷で危険なのか」「犬に噛まれたらどうすればいいのか」など悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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犬に噛まれたらキズパワーパッドで覆っていいの?
一言で言えば
犬に噛まれてキズパワーパッドで覆ってしまうのは危険
です。
犬に噛まれたときに細菌やウィルスが体内に入っていなければキズパワーパッドの効果を期待できます。
しかし細菌やウィルスが体内に入り込んだ場合にキズパワーパッドや絆創膏などで覆ってしまうと、体内で細菌やウィルスが繁殖する恐れがあります。
犬に噛まれると刺さった歯と一緒に傷口の奥に細菌やウィルスが入り込んでしまうことがあります。
傷口の奥だと表面を洗っただけでは細菌やウィルスを落とすことはできません。
体内の細菌やウィルスを体外に排出するのは、浸出液と呼ばれる傷口から出るジュクジュクした液体です。
キズパワーパッドや絆創膏を貼って浸出液の出口をふさいでしまうと、浸出液と一緒に細菌やウィルスが体外へ排出する妨げになります。
その結果、体内に細菌やウィルスを閉じ込め、増殖の手伝いをすることになってしまいます。
体内で細菌やウィルスが繁殖すると
- 破傷風
- パスツレラ症
- 狂犬病
などの感染症にかかる危険があります。
破傷風とは
犬が持っている破傷風菌が傷口から侵入して感染します。
運動神経にダメージを与えることが多く
・全身の筋肉がこわばる
・口が開かない
・けいれん
・手足の麻痺
などの症状が表れます。
パスツレラ症とは
犬の約75%が常在菌として持っているパスツレラ属菌が傷口から侵入して感染します。
初期症状では
・せき
・傷口の痛み
・赤く腫れる
・化膿する
・リンパ節が腫れる
・発熱
などです。
症状が進行すると
・気管支炎
・肺炎
・副鼻腔炎
・敗血症
などになります。
狂犬病においては動物では昭和32年(1957年)の猫での発生を最後に発生がありません。
ただし野犬においてはその限りではありません。
また人に飼育されている犬でも狂犬病ワクチンの接種は100%とは言えません。
そのため犬に噛まれたときには注意が必要です。
犬に噛まれてすぐにしなければいけないこととは?
犬に噛まれてすぐにしなければならないことは
とにかく早急に傷口を洗い流すこと
です。
そうすることで体内に細菌やウィルスが侵入することを防ぎます。
出血がひどい場合は傷口より上の個所をタオルなどで縛り、止血してから洗浄します。
市販の消毒薬を使用した方が効果があると考えそうなものですが、実は水と効果は変わりません。
そのため水道が近くにある場合は水を出しながら傷口をきれいに洗う方がいいでしょう。
傷口が浅い場合
傷口の周りを血を絞り出すようにつまみながら水道水でジャージャー流すと、翌日の痛みと腫れは少なくて済みます。
傷が深い場合
傷口を洗った後、清潔なタオルなどで傷口を押さえて病院へ
傷が浅かろうが深かろうが、噛まれてからなるべく早いうちに受診することが重要です。
病院での治療方法
以前は傷口を早く乾かしてかさぶたを作らせるという方法が主流でした。
しかし現在では体内から出る浸出液で湿度を保ちながら治療をすることが多いです。
病院での治療ポイント
・乾燥させず湿度を保つ
・縫わない
・ドレナージで細菌やウィルスを体外へ排出
特に犬の噛み傷などは体内に細菌やウィルスが入り込んでいることもあり、傷の奥から傷の外に液体を導く役割を持つドレナージが必要になります。
犬の噛み傷でのドレナージにはナイロンの糸が多く使われます。
傷口が閉じて膿が中にたまるのが一番良くなく、ナイロンの糸をこより状にしたものを差し込んで膿が出やすいようにします。
その上からプラスモイストという医療用の傷に固着しない被覆材で覆います。
傷口はプラスモイストで縫合せず乾かさず、ドレナージで細菌やウィルスを浸出液と一緒に体外へ排出するのが最近の治療方法です。
その間抗生剤の服用も必要です。
傷口の処置と内服薬で外側と内側から治療を行います。
まとめ
今回は犬に噛まれた傷はキズパワーパッドで覆っても大丈夫なのかについてご紹介しました。
この記事で分かったこと
・犬に噛まれてキズパワーパッドを貼るのは危険
・犬に噛まれたらすぐに傷口を水で洗い流す
・犬に噛まれたときの治療のポイントは縫わない、乾燥させない、細菌やウィルスを体外へ排出する
犬に噛まれてキズパワーパッドで覆うのは、細菌やウィルスを体外へ排出する妨げになるのでやめておいた方がいいでしょう。
中には犬の噛み傷にキズパワーパッドを張って効果があったというコメントも見かけます。
これは運よく細菌やウィルスが体内へ侵入していなかったためだと思われます。
細菌やウィルスは目に見えないことから体内へ侵入したかどうかが分かりません。
少しの噛み傷でも破傷風やパスツレラ症になる恐れがあるので、できれば病院で処置してもらうことをおすすめします。