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犬の誤食はよくある
犬の誤食は多いです。
動物病院に勤めているときも、「食べちゃいけないもの食べたんですけど!」と、飼い主さんが慌てて電話するケースもありました。
そんな時、飼い主さんはどうすればいいのか?
動物病院ではどう対処するのか?
動物病院に電話する時のポイントも含めて教えます。
犬の誤食、動物病院への対処法
犬の誤食は多くが「仕事で留守中」だったり「目を離したら」だったりすることが多いようです。
気付いたら、動物病院へ連絡を入れ、獣医師の指示に従うようにしましょう。
その際、伝える点がいくつかあります。
いつ誤食したか
まずはいつ誤食したかを伝えてください。
外出中でいつ誤食したか分からない場合は、せめて〇時間以内に誤食したと思われることを伝えましょう。
だいたい1時間以内は胃の中にとどまっている可能性が高いので、その時間によっては吐かせるか様子を見るかを獣医師が判断します。
何を誤食したか
次に何を誤食したかを伝えます。
先の尖ったものなど、喉を傷つけるものは吐かせないこともあります。
また、木など、レントゲンで確認できない材質のものもあります。
症状次第ではありますが、変わった様子もないのであれば、来院してもレントゲンで写らないなら獣医師は吐かせたりせず、自宅で様子見をしてもらうこともあります。
何を誤食したかはしっかり伝えられるようにしておいてください。
どれくらい誤食したか
以前、1歳に満たないダックスの子犬が、人の晩御飯で準備されていた肉じゃがを誤食してしまったことがありました。
肉じゃがには玉ねぎが入っており、玉ねぎも一緒に誤食してしまったとのこと。
「結構な量食べた」とのことで、特に症状が出ていたわけではありませんでしたが、獣医師から来院指示が出ました。
見てみると、お腹はパンパン、すぐに催吐の処置がされ、大量の玉ねぎが出てきたことがあります。
症状は出ていなくても、量が多かったことですぐに吐かせることもありますので、分かれば量も伝えておくと安心です。
必ず吐かせるわけではない
先ほどは肉じゃが(玉ねぎ)の誤食で獣医師が吐かせる対処をしましたが、自宅で様子見の場合もあります。
例①:チワワのペットボトルキャップの誤食
成犬のチワワの飼い主さんからの電話
「チワワがペットボトルのキャップを誤食したらしい(現場は目撃していない)。
いつ食べたかは不明。
チワワの気管は細いから詰まらせていないか心配。」
まず、いつ誤食したか分からないとのことでしたが、もし喉に詰まっていたらすでに苦しそうにしているはずです。
変わった様子はないということで、さらに時間も経っているらしく、催吐で対処することは難しいことから自宅で様子見になりました。
例②:木の棒の誤食
「木を飲み込んだらしい」
との電話がありました。
「放っておいても大丈夫か?」との質問で、飲み込んだかどうかの確認はレントゲンなのですが、木はレントゲンに映りません。
わざわざつらい思いをして催吐させるのも可愛そうですし、特に苦しそうにしてる様子もないことから、自宅での様子見をしてもらうことになりました。
例③:人間用の薬を誤食
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「人間用の薬を誤食した」との電話があったこともあります。
人間用の抗うつ薬を1時間以上前に誤食してしまったとのことでしたが、1時間以上前だと胃に留まっていない可能性が高く、催吐での対処が不可能なため、自宅で様子見。
特に変わった症状が出ているわけでもないので来院はしてもらいませんでした。
誤食の急性の中毒症状
例では症状が出ていない子たちばかりでしたが、中毒症状が出ている場合には一刻も早く動物病院で受診をしてください。
・嘔吐
・下痢
・よだれ
・興奮
・呼吸困難
・体温低下
・痙攣
・運動失調
点滴や投薬が必要になります。
誤食の対処よりも誤食を防ぐ
犬が誤食しないように、飼い主さんが気を付けてあげることが大事です。
犬の口に入るところに小さなものを置かないのはもちろん、テーブルにあるものを勝手に食べないようにしつけをするなど、普段からしっかり教え込んでおくのも必要です。
また、歯磨きガムや歯磨き用の木の棒、ひづめなど噛む用のアイテムは、小さくなって飲み込むくらいの大きさになったら取り上げてください。
もし誤食しても、慌てずに必要なことをきちんと伝えて、獣医師の指示を仰ぎましょうね。